【8月31日 AFP】マレーシアの首都クアラルンプール郊外にあるヒンズー教の聖地「バトゥ洞窟(Batu Caves)」でこのほど、洞窟内にある寺へと続く272段の階段がカラフルに塗り替えられた。改修工事をめぐっては、歓迎する声がある一方で、関係当局は承認していないとして怒り心頭の様子だ。

 バトゥ洞窟は、マレーシアの文化遺産に指定されている。ヒンズー教の奇祭「タイプーサム(Thaipusam)」が開催される寺院としても知られ、インド系住民や観光客が数多く訪れる。31日には、12年に1度の行事があり、塗り替えはこれに先立ち行われた。ただ、改修工事の許可が事前に得られていなかったことから、今回問題視された。階段はこれまで1色で塗られていた。

 地元紙スター(Star)によると、観光・文化省のムハマド・バフティヤール・ワン・チク(Muhammad Bakhtiar Wan Chik)副大臣は、改修工事について「非常に失望した」と書面で述べ、「調和を乱し、品位を下げ、元の姿が損なわれた」と批判しているという。ただ、文化遺産指定の取り消しの可能性には否定的な姿勢を示しているとされた。映像は30日撮影。(c)AFP