【8月29日 AFP】中国のライドシェア(相乗り)サービス大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」は28日、利用者の女性が運転手の男にレイプされ殺害された事件を受けて、一連の過失を謝罪した。

 中国東部の都市、温州(Wenzhou)で24日、同社の配車サービスを利用した女性(20)が運転手の男(27)にレイプされ、殺害された事件が発生。5月にも利用者の客室乗務員の女性(21)が運転手に殺害される事件が起きたたばかりだった。同社は交通運輸省などから、安全管理の面で過失があったとして非難を浴びていた。

 その一方、滴滴出行の創業者の程維(Cheng Wei)氏、および柳青(Jean Liu)社長は28日夜、声明を発表。自らの「無知と慢心」について謝罪するとともに、顧客の安全確保において全面的な見直しを約束した。

 また「われわれは正しいことをしているのか、さらにはわれわれが正しい価値観を持っているのかを、社内全体で問い始めた」「自己不信、自責の念、反省の念でいっぱいだ」と述べた。

 これに先立ち同社は、犯人の運転手について他の女性利用者からも苦情があったにもかかわらず、対処を怠ったという点で、事件に責任があると認めていた。この女性は、容疑者の男が運転する車を利用した際、人けのない場所へ連れていかれ、降りた後も車で後をつけられたと訴えていた。

 また、先週の殺人事件で激しい非難を浴びた同社は、目的地が同じ利用者をマッチングするサービス「ヒッチ」の提供中止を発表していた。

 中国版ツイッター(Twitter)の「微博(Weibo)」に投稿された今回の声明には、3時間足らずで5万3000件近いコメントが寄せられた。しかし長文の謝罪文をもってしても、安全性を懸念する利用者の怒りを静めることはほとんどできなかった。

 微博のあるユーザーは「あなたたちが気にしているのはもうけだけ」と投稿。別のユーザーも「謝罪しても何も変わらない」とコメントしている。(c)AFP/Elizabeth LAW