【8月29日 AFP】ヤギが人の笑顔と不機嫌そうな表情の写真を見分け、笑顔の写真の方に積極的に近づくとした論文が29日、英国王立協会(Royal Society)のオンライン科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)」に発表された。

 欧州とブラジルの研究チームが、同一人物の写真2枚(1枚は幸せそうな笑顔、もう1枚は怒った表情を撮影したもの)を飼いならされたヤギ20頭に見せる実験をしたところ、ヤギたちは笑顔の写真に近づいて写真に鼻をこすりつける傾向が見られたという。論文は、この実験はヤギが人の感情を読めることを示す、初の証拠となるものだとしている。

 論文の共著者の一人、英ロンドン大学クイーンメアリー校(Queen Mary University of London)のクリスティアン・ナブロト(Christian Nawroth)氏はAFPに対し、ヤギが写真を見て反応を示した時間の平均値は幸せそうな表情では1.4秒、怒った表情では0.9秒で、幸せそうな表情の方が50%ほど長かったと述べ、研究結果は「家畜種が非常に洗練された知性を持っていて周囲の環境を解釈でき」、人の表情に基づいて「行動を決定している可能性」があることを示唆していると語った。

 ナブロト氏の同僚アラン・マケリゴット(Alan McElligott)氏は、ペットに限らずさまざまな動物が人の感情を読む能力を持っている可能性があり、この研究は人間と家畜やその他の動物との関わりについて重要な示唆を与えていると述べた。(c)AFP/Mariëtte Le Roux