【8月29日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が2018年の全仏オープンテニス(French Open 2018)で着用したウエアが、今後は禁止される見込みとなったことについて、大会ディレクターのギー・フォルジェ(Guy Forget)氏は、セレーナの冷静な対応のおかげで大きな騒ぎにならずに済んだと称賛した。

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 この件では、フランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ(Bernard Giudicelli)会長が先日、ハリウッド(Hollywood)の大ヒット映画「ブラックパンサー(Black Panther)」に影響を受けたというセレーナのキャットスーツは「度を超している」と議論を呼びそうな発言をしたが、セレーナはすぐにこの言葉を受け入れ、「会長は以前からとても話しやすい。私のチームもフランス人がベースだし、素晴らしい関係を築けている」と全仏主催者との良好な関係をアピールしていた。

 フォルジェ氏は、セレーナのこうした姿勢をたたえて「今はソーシャルメディアを通じてあらゆる話題が拡散する時代だ。その中でセレーナは完璧に論争の芽を摘んだ」と話した。

 全仏で導入される見込みの服装規定について、フォルジェ氏は全身白を義務づけるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を引き合いに出しながら「服装に関する考え方は、ウィンブルドンよりはずっと柔軟なものになるだろう。あちらはだんだん厳しくなっている」とコメント。規定は「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)流」とも言うべき優雅さの基準を確立するためだと話した。

 フォルジェ氏は「今は何を着てもいいということになっていて、まったく枠組みがないから、一部の選手の服装がちょっと行き過ぎだと感じる人も出てくる。デザイナーの創造力と優雅さとの間に折り合いをつける方法を考えたい」と話し、アンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏のデニムの短パンと蛍光色のスパッツや、グスタボ・クエルテン(Gustavo Kuerten)氏の黄色のシャツ、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)のチェックのハーフパンツなどを行き過ぎたファッションの例に挙げた。

 さらにフォルジェ氏は「改修後のスタジアムと新たな外観は、エレガントさとモダンさ、実用性を兼ね備えたものになるはずだ」と話し、規定の導入は工事が完了する2021年が最適だと考えていることも明かした。

 全仏オープンで11回の優勝を誇る男子のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も、出場中の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の会場から、全仏での服装規定の導入を支持している。

 ナダルは「ウィンブルドンのように自分たちの要求を通している大会があるのだから、他の大会にやるなとは誰も言えない。ウィンブルドンが独自のルールを設けているのなら、ローラン・ギャロスもそうするのは何もおかしなことではない」と話した。(c)AFP