【8月25日 AFP】地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu)」に向けて米航空宇宙局(NASA)が2016年にフロリダ州から打ち上げた探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」が17日、同天体を初めて撮影した。このサンプルリターンミッションで、2023年にベンヌから地球に持ち帰る予定の塵(ちり)のサンプルは、太陽系における生命の起源解明のカギとなる可能性がある。

 オシリス・レックスが230万キロ離れた地点から撮影した画像には、不鮮明ではあるが、この小惑星が捉えられている。ベンヌは直径約500メートルで、小さな山ほどの大きさだ。地球の公転軌道の近くに軌道を持ついわゆる地球近傍小惑星で、2135年には2700分の1の確率で地球に衝突する可能性も指摘されている。

 オシリス・レックスはベンヌを周回しながらロボットアームを伸ばして表土を採取し、地球に持ち帰るよう設計されている。日本や欧州の探査機のようにこれまでにも小惑星からサンプルを持ち帰った例はあるが、オシリオ・レックスは過去最大となる60グラムのサンプルを持ち帰ることをミッションとしており、今年12月にはベンヌの表面について精密な探査を開始することになっている。(c)AFP