「記憶に留めておく一枚の報道写真」

平和構築とは誰のための活動なのか。この写真はカンボジア、プノンペンの死刑囚記念館にある頭蓋骨たちの写真である。クメール・ルージュたちがもたらした虐殺はカンボジアの人々の生命を脅かした。その後もカンボジアはベトナムの介入を受けそれに抵抗するクメール・ルージュらや旧王政勢力たちによる内戦の場となっていく。そしてその紛争は冷戦構造も影響し複雑化していく。その紛争の結果、安全を脅かされるのはそこで生活する人々である。平和構築とはそのような人の安全を保障しようとする活動だ。しかし、その活動にも国益や利権が関係し、試練を迎えている。さらに現地の人たちも自分たちを恐怖に陥れた脅威に対しどう気持ちを整理し和平に迎えばいいのだろうか。平和構築とは一体誰のための活動なのか、問われている。


津田塾大学 沼田麻緒 平和構築セクション