ユーザー投票で選ぶ「スター配達員」 中国・宅配業界の人材育成とサービス向上計画
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【8月26日 CNS】中国の宅配会社の「五つ星」配達員第1期生を待っているのは、賞金とさまざまなインセンティブだ。中国の宅配会社の圓通速逓(YTO Express)と申通快逓(STO Express)はこのほど、「千万元スター奨励計画」を発表し、五つ星クラスのサービスを提供するよう配達員に奨励している。
「配達員スター計画」が始動して1か月後、ネットショッピング好きな人たちは、5000万件を超える評価で自分の好きな配達員を選び出した。
申通快逓の五つ星配達員として1000元(約16100円)の奨励金を手にした河南省(Henan)ケイ陽市(Xingyang)の李永涛さんは、「一生懸命に心を込めて働けば、人は見てくれる。酷暑や雨風の中で頑張り続けたかいがあった」と喜ぶ。
宅配会社が「スター配達員」に対して奨励金を出すのは、今回が初めて。圓通と申通を合わせて2万人を超えるスター配達員の若者が、奨励金を受け取った。
奨励計画は、菜鳥(Cainiao)と宅配会社が共同で進める配達員の長期的な育成システムだ。スターの「等級」、インセンティブなどの「奨励」、人材の「育成」の三つの部分で構成され、配達員300万人のためにサービス基準など統一し、中国の主要な宅配会社の圓通、申通のほか、中通(ZTO Express)などで実施される。
星の格付けは、ユーザーからの評価により決められる。ユーザーは、淘宝(タオバオ、TaoBao)、天猫(Tmall)、菜鳥裹裹(Cainiao Guoguo)などのスマホアプリを使って匿名で配達員のサービスを評価できる。
高い格付けを奨励するため、現金のほか保険費用免除、優遇融資などが等級の評価とセットになる。
スター配達員を育成には技術を活用する。プラットフォーム級の人工知能(AI)製品である「菜鳥音声助手」には、配達員に代わり自動的に電話をかける機能があり、配達員の手間を大幅に省くことができる。
「スター計画」の開始後、ユーザーからの評価数は爆発的に増加。6月は従前に比べて8倍に膨れ上がり、7月には5000万回を超え、史上最高を記録した。
ユーザーが評価をする際に、高い評価につながる要因はサービス態度と適時の電話連絡。悪い評価につながる要因は、商品が行方不明になったり、配達前の連絡が無かったり、許可なく別の人に配達したりすることだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News