【8月24日 AFP】オーストリアの情報機関が収集した情報が、ロシア政府の手に渡っているのではないか?――オーストリアの野党やメディアの間で、こんな臆測が乱れ飛んでいる。

 オーストリアの連立与党の一角、極右政党・自由党(FPOe)が、つながりを深めているロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と機密情報を共有している可能性が懸念される中、欧州諸国の情報機関はオーストリアと距離を置いていると報じられている。

 そうした中、自由党から外相に指名されたカリン・クナイスル(Karin Kneissl)氏が先週末、自身の結婚式にプーチン氏を招待し、一緒に踊る写真が広く拡散したことで周囲は驚き、この臆測にますます拍車がかかった。クナイスル氏もプーチン氏も、結婚式への出席については「私事」だと主張している。

 自由党は昨年10月にセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相率いる中道右派の国民党(OeVP)との連立政権を結成して以来、外相のほか、内相や国防相などの要職を輩出している。

 報道によると、欧米諸国がオーストリアとの情報機関の協力に慎重になっているのは、自由党と同党のヘルベルト・キクル(Herbert Kickl)内相が情報機関への影響力を強めようとしているのではないかと疑っているからだ。自由党は2016年からロシアの与党・統一ロシア(United Russia)と「協力協定」を結んでいる。