【8月24日 AFP】ペルー国境に近いブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林で、文明社会と接触せずに暮らしてきた先住民を撮影した新たなドローン映像を、ブラジル国立先住民保護財団(FUNAI)が今週、公開した。距離があるため姿は小さいが、密林を伐採した空き地を歩く人々の姿が映っている。

 今回存在が明らかになったこの先住民族の映像は、FUNAIがアマゾナス(Amazonas)州の先住民保護区バレドジャバリ(Javari Valley)で行った調査で収集した資料の一つで、撮影時期は2017年。

 国土の広大なブラジルでは、100を超える先住民族が文明社会と接触せずに孤立して暮らしていることが確認されており、大多数はアマゾナス州南西部の奥地で暮らしている。FUNAIはこれまでにバレドジャバリで8部族と接触したが、さらに11部族が存在することが、大きな小屋や手製のおの、ヤシの木の幹でつくられたカヌーなどの痕跡から分かっているという。

 バレドジャバリで現地調査を行うため、FUNAIの職員は警察官を伴い、河川や未舗装の道を180キロ進んだ後、密林の中を120キロ歩かなければならなかったという。現地調査プロジェクトは孤立先住民の保護が目的で、現地情報に詳しい先住民カナマリ(Kanamari)の協力によって行われている。

 今回の調査中には2組の密猟団にも遭遇し、捕らえられた複数の野生動物を逃がした。「バレドジャバリにおける警戒と規制を強化し、先住民の人々の土地の完全な所有権を保障しなければならない」と、コーディネーターのビトール・ゴイス(Vitor Gois)氏は述べた。

 公式統計によると、ブラジルには305部族の先住民族合わせて80万人以上が暮らし、274種類の言語を使っている。(c)AFP