【8月24日 東方新報】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)にある地元政府の出資を受けた介護施設「杭州浜江緑康陽光家園」には7月以降、14人の若者が生活している。若者らは毎月300元(約4800円)で30平方メートルの部屋を借りているが一般の「住人」だが、もうひとつ重要な役目を担っている。施設が募集したボランティアとして、毎月20時間の高齢者介護を行っているのだ。

「若者が介護施設に住み込み」というニュースは、中国で注目を集めている。

 一部の若者の「部屋探し」問題と、「独居高齢者」の問題を同時に解決を図るためのものであるというのが、多くの見方だ。

「大都市に自分の家を持つことができれば、将来的に安定した生活が約束される」考える若者は多い。しかし、大都市の住宅価格の高さから短期間に住宅を購入するのは、両親からの援助があったとしても難しい。近年は賃貸を検討する人も増えているが、その支出も決して少なくはない。

 独居高齢者にとって、「孤独」もまた一つの病である。

 統計によると、中国の高齢者人口は1億6900万人いるとされ、このうち半分以上の高齢者が独りで暮らしており、第三者の何らかのサポートを必要としている高齢者は、約4000万人いると言われている。

 ある高齢者の女性は、「介護施設に入居したとしても、『精神的な独居』であることに変わりはない。若い人たちの活力は必要」と話す。

 現実的にも、若者が介護施設に住むことには意義がある。しかし、広く普及させることは難しい。

 ベッドが不足している介護施設は多く、高齢者の要望に応えられてない状況下で、若者に部屋を貸すことができるのだろうか。こうした公共の「サービス」や、別の手段で社会問題を解決するという、手がかりの一つをもたらすことにはなっているかもしれないが。(c)東方新報/AFPBB News