【8月23日 AFP】(更新、写真追加)フランス首都パリ近郊で23日朝、男が刃物で母親と姉または妹1人を殺害、さらに別の1人に重傷を負わせた。男は警察によって射殺された。当局が発表した。

 事件があったのはパリの南西約30キロに位置するトラップ(Trappes)。警察によると、男の名は2016年からテロ監視リストに載っていたという。

 犯行の動機は不明だが、この事件についてイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)を通じて犯行声明を出した。この声明でISは、「パリ南西トラップで攻撃を行ったのはISの戦闘員」であり、ISに対抗する「有志連合諸国の者らを標的にせよとの呼び掛けに応じて攻撃を遂行した」と発表した。

 トラップは世界的に有名なベルサイユ(Versailles)宮殿がある富裕地区に程近いが、貧困やギャング、イスラム過激派に絡む問題を抱えていることが知られている。かつて治安筋はAFPに対し、同町にはイスラム教徒が多く住んでおり、住民約50人がISの戦闘に加わるためシリアやイラクに渡ったと語っていた。

 ただ専門家らは、最近ISが中東で勢力を弱めるにつれ、無関係とみられる事件についても犯行声明を出しており信ぴょう性が下がっているとして、慎重な見極めが必要だと警鐘を鳴らしている。(c)AFP