【8月23日 AFP】香港高等法院(高裁)で22日、妻と娘を殺害した罪に問われている麻酔科医の男の公判が行われ、検察は男が一酸化炭素を詰めたバランスボールを使って2人を殺害したと主張した。

 公判記録で明らかになった検察の主張によると、マレーシア人のコー・キムサン(Khaw Kim-sun)被告(53)は2015年、バランスボールを小型乗用車「ミニクーパー(Mini Cooper)」のトランクに入れ、ボールから漏れた一酸化炭素で妻子を殺害。

 2人は路肩に止まったミニクーパーの車内で発見され、被告の勤務先である病院で死亡が確認された。検視の結果、2人の死因は一酸化炭素を吸い込んだことによる中毒死だったことが判明した。

 検察によると被告は当時学生と不倫をしており、妻が離婚に応じようとしなかったという。

 検察は被告に娘を殺害する意図はなかったとみており、現地紙の蘋果日報(Apple Daily)によると、被告は警察の取り調べで事件当日に娘に家にいて宿題を済ませるよう強く言ったと供述していた。

 また、職場から一酸化炭素を詰めたバランスボールを持ち出したのは家のネズミを駆除するためだったとも供述していたという。

 2人の殺害について被告は無罪を主張している。(c)AFP