【8月23日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州で起きた大洪水で、「人気サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)さんが災害救助基金に1100万ドル(約12億円)の寄付をした」や「主要ダムにひびが入った」といったフェイク(偽)ニュースが拡散し、混乱と不安を広げている。

 420人余りが死亡した大洪水では、ケララ州政府とインド軍当局が被災地救援に追われるかたわら、ソーシャルメディアで拡散するメッセージについて異例の警告を発する事態となっている。

 インドでは過去2か月で、ソーシャルメディアで広まった偽ニュースにより20人以上が集団リンチの犠牲になったとされ、インド政府はフェイスブック(Facebook)やメッセージサービス「ワッツアップ(WhatsApp)」をはじめとした大手ソーシャルメディアに対する圧力を強めている。

 洪水に関連する投稿には、悪意のないものもある。ロナウド選手はしばしば、大災害の被災者支援活動に対する多額の寄付が世界的に報じられている。だが「Boomlive.in」といったインドのファクトチェック(事実検証)サイトは、多くの人がロナウド選手の寄付という偽ニュースを引き合いに、政府の対応を批判していると指摘している。インド中央政府はこれまで1億ドル(約110億円)近くの支援を表明してきた。

 その他、ケララ州アイダッキー(Idukki)地区にあるダムにひびが生じたと伝える偽動画が拡散したことを受け、ピナライ・ビジャヤン(Pinarayi Vijayan)州首相はツイッター(Twitter)で警戒を呼びかけた。さらにインド軍当局も、軍服姿の男が救援活動について語り同州首相を批判している動画は偽物であると発表した。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA