【8月22日 AFP】米コロラド州で、妊娠中の妻と娘2人が行方不明になったとして、無事の帰還をメディアで訴えていた夫が、3人を殺害した罪で訴追され、21日、裁判所に出廷した。

 クリス・ワッツ(Chris Watts)容疑者(33)は、第1級殺人3件と、12歳以下の子どもを殺害した罪2件で20日に訴追された。さらに遺体損壊罪、妊娠を終わらせた罪にも問われている。

 だがワッツ容疑者は、自身が妻のシャナン・ワッツ(Shanann Watts)さん(34)に離婚を切り出した後、シャナンさんが娘のセレステ(Celeste)ちゃん(3)とベラ(Bella)ちゃん(4)の首を絞めたとし、自身は激高してシャナンさんを殺害したと主張しているという。

 一家は州都デンバー(Denver)から北へ48キロほど離れた町フレデリック(Frederick)で暮らしていた。ワッツ容疑者は先週逮捕され、現在勾留されている。

 妊娠15週目だったシャナンさんの遺体は、ワッツ容疑者が勤務していた石油会社の敷地内で先週、浅い穴の中から見つかった。娘2人の遺体はその後、付近の石油タンクの中で発見された。

 裁判文書によれば、夫婦は経済的な問題を抱えており、2015年には自己破産を申請。さらに捜査官によると、ワッツ容疑者は同僚と不倫関係にあったという。ただ同容疑者は、当初これを否定していた。

 供述書によればワッツ容疑者は、シャナンさんが13日未明、友人に送られてアリゾナ州への出張から帰宅した際、離婚を提案。その後長女がベッドの上で青ざめて「ぐったりしている」のを発見した。さらに子どもを見張るためのモニターを通じ、シャナンさんが次女を絞殺する様子を目にし、激高してシャナンさんの首を絞めて殺したとしている。

 医者の診察に姿を見せなかったシャナンさんを心配した友人が、シャナンさんの自宅を訪問したものの姿が見えなかったため、行方不明を届け出たという。

 ワッツ容疑者は15日にテレビ出演し、家族の帰還を訴えていた。(c)AFP