■「ぽっちゃり」マーケットは膨張中

 全国のぽっちゃり女性らはタオバオ店舗に集まるようになり、ふくよかな女性向け衣類は爆発的に売れている。登登さんが働く「南島風(Nandaofeng)」タオバオ店の昨年の売り上げは1億元(約16億円)を突破し、今年は1億5千万元(約24億円)を超える勢いだ。

 登登さんは、厳しい選抜をくぐり抜けてモデルに選ばれた。ライブのほかに、短い動画などを制作することもある。

 プラットフォーム上には数十万人のファンがおり、販売力は突出している。1本の短い動画で1万点を超える服を売ったこともある。わずか半年で、登登さんの月収は5千元(約8万円)から5万元へと10倍も跳ね上がり、現在も増加中だ。

 同僚らも登登さんと同様、80キロ近いふくよかな女性ばかりだ。同じ職場で互いに励まし合いながら、自信を深める姿に、多くのぽっちゃり女性がファンとなっていく。

 それにしても、登登さんの食欲はすごい。普通の人の2食分は食べる。ザリガニなら2.5キロは食べる。

 ストレスを発散している面もあるが、食べる時が一番幸せだ。ストレスがあっても、2.5キロのザリガニとお菓子があれば大丈夫。

 スタジオに山と積まれたお菓子は、店主が彼女らのために買ったもの。ライブが終わると食べ放題だ。ぽっちゃりモデルに体形を維持させるために、店主はスーパーへと走る。

「痩せたいとは思わない。健康で楽しければそれでいいの」と登登さん。好みの服は、鮮やかな色合いのもの。以前のように、痩せて見えるようにと黒色の服はもう着ない。(c)CNS/JCM/AFPBB News