【8月25日 AFP】米カリフォルニア州在住のカイル・ジョンソン(Kyle Johnson)さん(68)とマーサ・マクベス(Martha Macbeth)さん(63)は、体の苦痛を緩和するために大麻を利用している。これまで、ジョンソンさんは腰痛と不眠症、マクベスさんは座骨神経痛にそれぞれ悩まされていた。

 多くの州が合法化を進め、大麻への注目が集まる中、高齢者の間でも痛みを緩和する手段として大麻を使う人の数が急増している。ジョンソンさんとマクベスさんもそうした利用者だ。

 今年から嗜好(しこう)用大麻を合法化したカリフォルニア州は、合法大麻の国内最大の市場となった。

 サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業「オクタビア・ウェルネス(Octavia Wellness)」は、同州の高齢者を対象に大麻を提供している。コンサルタントを務めるマクベスさんは、「好奇心と興味を持った数多くの高齢者が、痛みと睡眠障害を取り除くためにここを訪れる」と話す。

 マクベスさんによると、大麻への関心は非常に高く、老人ホームで行う大麻製品の説明販売会は、白髪の潜在的顧客で常にあふれるほどだという。

 商品は、チンキ剤、スプレー、食品、またローションやオイルなど局所用があり、服用者は気分の高揚なしに広範な病状を緩和することができる。マクベスさんは、「(カリフォルニア州北部の)サンノゼ(San Jose)で最近行った説明会では、400人が参加を希望した」ことを明らかにし、その数に圧倒されたと述べた。

 複数の調査データによると、米国で大麻利用者の拡大が最も進んでいるのが高齢者で、この傾向が続けば、大麻消費量でより若い世代を追い越す可能性があることが明らかになっている。