【8月20日 AFP】フランス・パリ最大の水族館が、飼い主に捨てられた金魚を引き取って「第二の魚生」を提供している。

 飼えなくなるとトイレに流されてしまうことも多いペットの金魚。エッフェル塔(Eiffel Tower)の向かいにあるパリ水族館(Aquarium de Paris)では、2年前からパリ市民を対象に、金魚の引き取りサービスを行っている。利用者は月平均50人ほど。長い夏休みの間は持ち込む人が増えるという。

 パリの下水道に流されて死ぬ運命を免れた「捨て金魚」たちは、水族館で抗生剤や抗寄生虫薬を投与されるなど一通りの検査を受けた後、隔離された水槽で1か月過ごす。この間に、環境の変化に適合できず死んでしまう金魚も少数ながらいる。水族館の担当者によると、引き取られた時点で既に非常に弱っている金魚もいるそうだ。

 その後、金魚たちは展示用の大型水槽に移される。水槽にはおなじみの赤い金魚のほか、黒や縞模様の金魚など現在およそ600匹が泳いでいる。狭い金魚鉢から解放されて広々とした水槽内で暮らす金魚たちは、群れをつくるなど社会性を育み、中には体長20~30センチまで成長する個体もあるという。(c)AFP/Brice LE BORGNE