【8月18日 AFP】記録的な豪雨に見舞われ、懸命な救助活動が展開されているインド南部ケララ(Kerala)州で18日、洪水によって孤立していたところをヘリコプターで救出された妊婦が機内で産気づき、着陸後に男児を出産した。インド海軍が明らかにした。

 ケララ州では、記録的なモンスーンの大雨により大規模な洪水が発生し、これまでに少なくとも324人が死亡。海軍のヘリコプター数十機が出動して、自宅の屋根や孤立地域に取り残された人々の救出活動に当たっている。

 こうした中、インド海軍のビジャイ・ベルマ(Vijay Verma)司令官は州内の主要都市コーチ(Kochi)で、出産を間近に控えていたサジタ・ジャビールさん(25)を浸水していた自宅の屋根からつり上げてヘリコプターで救出。だがジャビールさんは機内で陣痛が始まって破水する事態に陥った。

 地上に到着後ジャビールさんは緊急搬送され、病院で無事に元気な男の子を出産したという。

 救出作戦を率いて称賛を浴びている同司令官は地元テレビ局「News18」に対し、通報を受けて、この家族を発見すべく現場に駆け付けたと説明。

 任務は「非常に困難だった」とし、「医師も一緒に連れて行った。ジャビールさんをつり上げて救助するには隊員2人を下ろしてジャビールさんを介助しなければならず、時間がかかった」と苦労を語った。(c)AFP