【8月18日 AFP】元陸上男子短距離のスーパースター、ウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が18日、サッカー豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)のトライアウトを受けるために現地に到着し、真剣にプロサッカー選手を目指してその実力を世界に示す決意を表した。

 五輪で8個の金メダルを獲得したボルト氏は、選手契約を目標にマリナーズの練習に無期限で参加することを認められ、その実力を示す機会が与えられた。同クラブは今年10月下旬に開幕する2018-19シーズンまでに、同氏が戦力となることを期待している。

 マリナーズのマフラーを首にかけたボルト氏は、シドニー国際空港(Sydney Airport)で大勢の報道陣に迎えられると、トライアウト合格に向けて自らを鼓舞する姿勢を示し、「自分は常に全力で前進してきたし、これから何ができるのか世界に示していくつもりだ」と述べた。

 31歳のボルト氏はさらに、(サッカー選手を目指すのは)単に注目を浴びるためかと聞かれると、「本気だ。陸上選手として現役最後のシーズンから話してきた通り、自分はサッカー選手になりたいし、自分の実力は分かっている。マリナーズには機会を与えてくれて感謝している。今からオーストラリアをホームと呼べることを喜んでいる」と答えた。

 昨シーズン限りで陸上競技から引退して以降、すでにドイツをはじめノルウェーや南アフリカのクラブでトライアウトに参加しながらも、これまで夢は実現していなかったボルト氏は、陸上界では地球最速の男となったものの、シドニーから75キロメートル北部のゴスフォード(Gosford)に拠点を置くマリナーズで何が待ち受けているか緊張していることを認めながら、「ずっとドキドキしているけれど、何よりもわくわくしている」と語った。

 21日に最初のトレーニングに臨むことになっているボルト氏について、マリナーズのショーン・ミーレカンプ(Shaun Mielekamp)最高経営責任者(CEO)は、特別扱いするつもりはないと話す一方で、警備員の人数を増やすことに加え、同氏を一目見ようと押し寄せるファンのために広い練習場に移ることを明らかにした。

「契約を目指しているウサインについて、われわれが一つだけ確実に言えることは、他の選手と同等に扱うということだ。それは、ボルト氏が望んでいることであり、彼の目指すサッカーだ。彼は当然の理由でここに来た」 (c)AFP