【8月17日 AFP】インド首相を3期務めたアタル・ビハリ・バジパイ(Atal Bihari Vajpayee)氏が16日、死去した。93歳だった。同国のナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相はツイッター(Twitter)上で、バジパイ氏の死は「埋め合わせようのない喪失だ」と述べ、哀悼の意を表明。偉大な政治家として尊敬を集める故人をしのぶ声が、政治的立場を超えて数多く寄せられている。

 バジパイ氏は何年も前から体調を崩していたが、ここ数日で容体が急速に悪化し、医師が生命維持措置を施していた。

 元ジャーナリストで詩人でもあったバジパイ氏は、1990年代に半世紀を超える政治家人生の最盛期を迎え、その雄弁な演説で国内各地での集会に数万人の聴衆を集めた。

 バジパイ政権は1998年、核実験を成功させた後、核保有を宣言。西側諸国から制裁を招いた。また、最大の対立国である隣国パキスタンもインドの実験に核実験で応じ、南アジア地域で核紛争の懸念が高まった。

 バジパイ氏は2004年の下院選で国民会議派(Congress Party)に敗れ、マンモハン・シン(Manmohan Singh)氏に首相の座を譲った。(c)AFP