■「女性が年を取るのは罪とされる」

 マドンナは、キャリアを通してずっと手厳しい批判にさらされてきた。

 元恋人のブラジル人モデル、ジェズス・ルス(Jesus Luz)さんの元ガールフレンドからは「おかしなおばさん」呼ばわりされ、また音楽フェス「コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル(Coachella Valley Music & Arts Festival)」のステージで、ずっと年下のドレイク(Drake)を押さえ付けてキスした際には、ソーシャルメディアに嘲笑の投稿が相次いだ。

 マドンナは、2016年に米音楽誌ビルボード(Billboard)の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー(Woman of the Year)」を受賞した際のスピーチで、社会は女性たちに「かわいく、キュートで、セクシー」であることは許すが、自分の意見、そして性的な欲望を表に出すことを許さないと語った。

 スピーチでは音楽界の暗黙のルールについても触れ、「男性に望まれる女性になれ。そして、男性と一緒にいても他の女性たちから不満に思われない女性になれ」とも述べた。

 そして、「女性は年を取ってはいけない。年を取ることは罪だから。批判され、中傷され、ラジオでも曲をかけてもらえなくなる」として、マドンナは若いリスナーを番組対象とするBBCラジオ1(BBC Radio 1)が自分のシングル曲をかけることを拒んだこともやゆした。