【8月25日 AFP】乱暴に足が踏み鳴らされると、シベリア上空を飛行していた小型軍用機が揺れた。同機がチェコのプラハからモンゴルの草原へと輸送しているのは、希少な4頭の馬だ。かつて絶滅の一歩手前だった古代種の馬、「プルツワルスキー(Przewalski、モウコノウマ)」は、故郷の草原で生息数を回復しつつある。

 胴体が丸くて足が短く、砂色をした馬たちは今、世界各地の動物園の繁殖プログラムによって絶滅の危機をなんとか免れ、徐々に故郷の野生動物保護区に放牧されている。

 1932年からプルツワルスキーの繁殖に取り組んできたチェコのプラハ動物園(Prague Zoo)は、世界中で新たに生まれた子馬を追跡して系図を作り、2011年に、モンゴルにプルツワルスキーを戻すプロジェクトを立ち上げた。

 雌の4頭は、「野生馬の草原」を意味するタキンタル(Takhin Tal)で野生の群れと一緒にされる予定だ。1969年にはプルツワルスキーが1頭にまで減ってしまっていたこの地で、今では220頭の群れが自由に駆け回っている。(c)AFP/Jan FLEMR