■ミック・ジャガーは批判されない

 自身が産んだ息子と娘以外に、マラウイから4人を養子に迎えたマドンナだが、母親になった以降も恋愛をあきらめてはいない。しかし、マドンナが年下と付き合うことで注目を浴びるのは、今も現役で、近年にまた子どもが生まれたミック・ジャガー(Mick Jagger)やビリー・ジョエル(Billy Joel)といった、自身よりはるかに年下の女性と付き合う男性たちの話に世間がやや食傷気味であるのとは対照的だ。

「フェミニストとして、私はマドンナを支持します。それが性的な好みで、それをマドンナがうまくやっているのであれば、彼女は大半の女性たちが望まない、または望んでもかなえられない夢のような願望をかなえているということだから」。こう話すのは、米シアトルのワシントン大学(University of Washington)で老年学とセクシュアリティーについて研究している社会学者ペッパー・シュウォーツ(Pepper Schwartz)氏だ。

 シュウォーツ氏は、マドンナという個性と性的な破廉恥行為とが切っても切り離せないものとなっている一方で、「より年齢を重ねた女性」として直面する課題は、彼女にとってより難しいものになってきていると指摘する。その一方で、マドンナがベビーブーム世代の女性たちにとって新たなロールモデルを示しているとも説明した。

「性とジェンダーの定義を改めようと常に果敢に努力してきたベビーブーム世代なら、年を取ってきたからといって、自分たちはこのまま片付けられるわけにはいかないと言うでしょう」 (c)AFP/Shaun TANDON