■政治的混乱を画策

 内戦前、シリア人口の3%を占めていたドゥルーズ派は、ISから異端とみなされていた。

ドゥルーズ派の指導者らは、アサド政権と当てにならない取り引きをしようとしてきた。政権への忠誠を維持する代わりに、ドゥルーズ派の男性たちの徴兵や遠方への派遣を行わないよう求めてきたのだ。

 ISはドゥルーズ派を標的にすることによって、両者の関係にひびを入れようとしていると、ベルギー人のIS専門家は指摘する。「スウェイダでのドゥルーズ派コミュニティーに対する襲撃は、混乱を招き、彼らがアサド政権に反旗を翻すことを狙ったものだった」「これは、ISが過去に使ってきた古い戦術だ。無政府状態を生み出し、混乱させ、最後にそのカオスを支配する」

 ISは、イラクの中だけのISだった当初、この戦術を完璧に遂行していた。支配領域を奪還し、かつて手にした世界的悪名を取り戻すために再び同じ手段を使うかもしれない。

 あるシリア専門家は「ISやその他のテロリスト集団は、シリアで攻撃を続けるだろう。未成年者は常にその主要なターゲットだ」と指摘する。そして「たとえ支配領域を失ったとしても、ISはシリアに潜伏し続ける」と付け足した。(c)AFP/Maya Gebeily