【8月9日 AFP】韓国でドイツ自動車大手BMWの車のエンジンから出火する事故が相次いでいる問題を受け、BMW車の所有者20人と出火事故の被害者1人でつくるグループが8日、リコール(回収・無償修理)発動のタイミングが遅かったとして同社を刑事告訴した。所有者らの代理人弁護士が明らかにした。

 韓国では今年に入って、セダン車「520d」を中心に既に30台以上のBMW車が出火事故を起こしている。BMWは先月になって、韓国で10万台以上のリコールを発表したが、韓国政府はリコール発動のタイミングが適切だったかどうか調査する方針だ。

 BMWは6日に公式謝罪し、出火原因はディーゼルエンジンからの排出ガスを削減するための部品の欠陥だと発表した。しかし、もっと早くリコールを発動すべきだったと怒る消費者らの不安は収まっていない。

 BMWのヨハン・エベンビヒラー(Johann Ebenbichler)品質管理担当副社長は、部品に問題があることは2016年段階で認識していたが、出火の根本原因を突き止めたのは今年6月になってからだったと報道陣に説明した。

 代理人弁護士によると、刑事告訴の対象はエベンビヒラー氏ら6人。出火原因の特定に2年もかかったとは思えず、隠蔽(いんぺい)の疑いがあるとしている。

 同じ出火問題でBMWは今週、欧州全体で32万3700台のリコールを発表している。一連の出火事故をめぐっては、韓国のBMW車の所有者17人でつくる原告団が賠償を求める民事訴訟も起こしている。(c)AFP