【8月8日 AFP】南米コロンビアのイバン・ドゥケ(Ivan Duque)新大統領(42)が7日、就任宣誓を行った。国内の左翼ゲリラとの平和構築をめぐる懸案や隣国ベネズエラとの関係緊迫化など、課題が山積する中での船出となる。任期は4年。

 上院議員出身で右派のドゥケ大統領は6月に決選投票を制して当選。フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)前大統領が2016年に当時の国内最大ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」と締結し、半世紀にわたる内戦を終結させた和平合意をほごにする可能性がある。

 ドゥケ大統領は首都ボゴタのボリバル広場(Bolivar Square)で行った就任演説の中で、FARCとの和平合意には「構造的欠陥」があると改めて批判。「犠牲者が真実、相応の正義、補償を確実に得られるように」是正措置を講じると表明した。ただ、その具体的な内容には踏み込まなかった。

 国内最大の左翼ゲリラ組織である「民族解放軍(ELN)」との交渉についても、定められた期限までにELNにあらゆる犯罪活動を停止させるべく「確かなプロセス」が整うように、前政権よりも厳しい方針を採る意向を示した。

 ベネズエラでは先週末、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を狙った「暗殺未遂」事件が発生。マドゥロ大統領がサントス前大統領などに罪を着せたことから、コロンビアとベネズエラの関係は急激に悪化している。

 ドゥケ大統領は、野党がボイコットする中でマドゥロ大統領が再選した5月のベネズエラ大統領選には問題があったとして「自由な選挙」を求めている。就任演説では「南米大陸ではいかなる独裁政権も受け入れない」と述べ、マドゥロ大統領に対して強硬な姿勢で臨む考えを示唆した。(c)AFP/Hector Velasco, Rodrigo ALMONACID