【8月7日 AFP】韓国・江原道の旌善(Jeongseon)郡の洞窟で6月に発掘された、漁網用の重しである石錘14個が、約2万9000年前のものと判明した。今回の発見は、洗練された技術を用いた漁がこれまで考えられていたよりもはるかに古くから行われていたことを示唆している。

 延世大学博物館(Yonsei University Museum)の韓昌均(ハン・チャンギュン、Han Chang-gyun)氏はAFPの取材に対し、放射性炭素年代測定の結果、6月に見つかった石灰岩製の石錘によって「網を用いた漁労の歴史がこれまでより1万9000年もさかのぼる」ことになったと語った。

 石錘はこれまでも日本の福井県と韓国の清州(Cheongju)市で発掘されており、いずれも約1万年前の新石器時代のものとみられている。だが今回の発見は、後期旧石器時代でも人類は活発に漁労を営んでいたことを示唆するものだと、韓氏は指摘した。

 14個の石錘はそれぞれ重さが14~52グラム、直径は37~56ミリ。韓氏は、漁網の端を結び付けるための溝が彫られており、浅瀬で小魚を獲るために用いられたと説明している。

 石錘が今回発見されるまでは、南日本の島で見つかった、約2万3000年前に巻き貝の殻で作られた釣り針が人類最古の漁具とされていた。(c)AFP