【8月5日 AFP】韓国の首都ソウル中心部の光化門広場(Gwanghwamun Plaza)で4日、「スパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)」による盗撮の厳罰化を求める女性たちが、数万人規模の抗議集会を行った。

 韓国では、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する世界的な「#MeToo(私も)」運動に触発され、女性たちが主導する抗議運動がこれまでにない規模で拡大している。

 盗撮に抗議する女性たちの集会も5月から定期的に行われ、毎回規模が拡大している。先月の参加者は約6万人だったが、4日の集会は気温37度という厳しい暑さにもかかわらず、主催者発表で約7万人が集まり、女性のみが参加したデモとしては韓国史上、最大規模となった。

 ハイテク大国の韓国では、学校や職場、列車の中やトイレなどで「スパイカメラ」(隠し撮り用小型カメラ)を使って女性たちを盗撮し、捕まった男たちについての記事がほぼ日常的に新聞に掲載されている。

 大規模な集会の舞台としてはおなじみの光化門広場に集まった女性たちは、「この国の女性トイレはスパイカメラだらけ! お願いだからこの犯罪を取り締まって!」などと声を上げた。

 韓国では、スパイカメラを使った犯罪の通報件数が2010年の1100件前後から、昨年には6500件超へと急増。犯罪者は教師や大学教授から、教会の牧師や裁判官まで含まれている。だが多くの場合、罰則は罰金刑か執行猶予付き判決にとどまっており、女性たちは罰則の強化に加え、盗撮動画が掲載されたウェブサイトを閉鎖するよう政府に求めている。

 その一方で、過去に女性の権利を訴える集会に参加した女性たちがネット上でいじめや嫌がらせを受けるケースも起きているため、4日の抗議集会では多くの女性たちが帽子やサングラス、マスクなどで顔を隠して参加した。(c)AFP