【8月5日 AFP】バングラデシュで速度超過のバスにより若者2人が死亡した事故を発端とする大規模な学生デモが暴動に発展し、同国当局は暴動の鎮静化を図るため、携帯電話のインターネット接続を遮断した。当局と現地メディアが5日、明らかにした。

  事故を受け、首都ダッカの一部は先週から学生らのデモによって機能がまひしており、暴動へと発展した4日のジガタラ(Jigatala)地区でのデモでは100人以上が負傷した。

 目撃者によると警察がデモ隊に向けてゴム弾や催涙ガスを発射したほか、政府を支持しているとみられる活動家らが若者たちを襲撃し、病院に搬送された人もいたという。

 同国で最大発行部数を誇る現地紙プロトム・アロ(Prothom Alo)によると、暴動が始まってすぐの4日夜から24時間にわたって、3Gおよび4G回線のインターネットサービスが遮断されている。

 バングラデシュ電気通信規制委員会(BTRC)のジャヒルル・ハク(Jahirul Haq)会長はAFPに対し、政府から「決定」の通知を受けたと明らかにしたが、内容については明らかにしなかった。

 こうした動きは学生たちがデモの参加者を動員したり、政府に対する不満がインターネット上で拡散したりすることを防ごうとする措置である可能性もある。ただ、与党アワミ連盟(Awami League)を支持する活動家が学生たちを攻撃しているとされる映像や写真がソーシャルメディアに大量に投稿されており、政府への反発はさらに広がりを見せている。

 一方で警察はゴム弾発砲や催涙ガス噴射について否定しており、与党アワミ連盟も支持者が学生たちを殴打したという疑惑を否定している。

 バングラデシュの公共輸送当局は汚職や違法操業、さらには危険の象徴と広くみなされており、若者2人が死亡した事故に関する投稿は瞬く間にソーシャルメディア上で拡散したという。(c)AFP