インド首相と国民との対話で当局がやらせ指示、報道規制と非難殺到
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【8月4日 AFP】インドでテレビ中継された同国のナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相との対話で、農業従事者の1人がやらせの指示を受けていたことが明らかになり、政府が報道規制を行っているとの非難の声が上がっている。
モディ首相と農業従事者との会合は6月に行われ、東部チャッティスガル(Chhattisgarh)州出身の農家の女性が政策のおかげで自身の収入が倍増したと語っているところが複数の局でテレビ中継された。しかしこの女性は、インドの主要ヒンズー語のニュースチャンネル、ABPニュース(ABP News)で7月6日に放映された番組の中で、事前に村まで訪ねて来た政府当局者にうそをつくよう指示を受けていたことを明らかにした。
今週に入り、同局の主幹と、やらせを暴露した番組のキャスターが辞任したことで、事態はさらにエスカレート。
野党の国民会議派(Congress Party)は3日、モディ首相を非難し、ソーシャルメディアでは、政府が報道の自由を妨げようとしているとの非難が飛び交っている。
国民会議派の幹部、マリカルジュン・カルゲ(Mallikarjun Kharge)氏は議会で、「メディアがその任務を果たし、政府の言い分が事実であるかどうかを確認したせいで標的にされるとは嘆かわしい」「メディアが萎縮している」と述べた。
PTI通信(Press Trust of India)によると、ラージャバルダン・シン・ラトール(Rajyavardhan Singh Rathore)電子・情報技術相は、ABPニュースの2人の辞任について、政府は「一切関与していない」と述べている。AFPはモディ首相と同氏が率いる右派与党・人民党(BJP)の報道官に取材を申し込んだが、コメントは得られなかった。
インドのジャーナリストたちは、総選挙が来年に迫る中、BJPに対する批判の封じ込めを狙った脅迫を受ける機会が増えていると話している。先月、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without Borders)」も、世界最大の民主主義国家インドの報道の自由が侵害されていると警鐘を鳴らした。(c)AFP