【8月3日 AFP】中国家宗教事務局は2日、有名な仏教寺院の住職で、中国共産党の諮問機関の委員も務める僧侶が複数の尼僧らに対し性行為を強要していたとする告発を受けて、調査を開始したと発表した。この疑惑は、中国におけるセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の一つとして注目を集めている。

 調査対象となっているのは、首都北京郊外にある龍泉寺(Longquan Monastery)の学誠(Xuecheng)住職。疑惑が明るみに出たのは、今週インターネット上に浮上した僧侶2人が書いた95ページにわたる文書がきっかけだった。

 この中で僧侶らは、龍泉寺の財政難を訴えるとともに、学誠住職が女性少なくとも6人に宛てて、性交渉を持つよう誘惑または脅迫する不適切なテキストメッセージを送ったと指摘。うち4人が住職の求めに応じたという。さらに住職は、自分との性行為は仏教研究の一環だと言い聞かせ、女性らの「マインドコントロール」を図ったとしている。

 これに対し龍泉寺は1日、文書は証拠を捏造(ねつぞう)したもので、学誠住職と同寺の名誉毀損(きそん)を狙ったものだと非難した。

 学誠住職は中国仏教界の著名人で、ソーシャルメディア上では数百万人のフォロワーを抱える。

 龍泉寺は仏教と最新の科学技術の融合でたびたびメディアに取り上げられ、昨年には念仏を唱えたり助言を与えたりする身長約60センチの「ロボット僧侶」も導入していた。(c)AFP/Elizabeth LAW