【8月3日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は、同教信者にとって最も重要な教理の手引き書「カテキズム」の最新版で、死刑を「容認できない」との方針を示した。バチカン(ローマ法王庁)が2日、明らかにした。

 新たなカテキズムでは「カトリック教会は福音の光において『死刑は人間の不可侵性と尊厳に対する攻撃であるため容認できない』と教える」と明記。またバチカンのルイス・ラダリア(Luis Ladaria)教理省長官(枢機卿)によれば、カトリック教会は全世界での死刑廃止に「強い意志で取り組む」とも記されている。

 カトリック教会は過去数十年にわたり死刑への反対姿勢を強めており、前任のベネディクト16世(Benedict XVI)やその前任のヨハネ・パウロ2世(John Paul II)も死刑停止を求めてきたが、カテキズムの改訂には至っていなかった。

 死刑制度は現在までに、カトリック圏の大半を含め、世界の3分の2を超える国で廃止または停止されている。

 しかし国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によれば、2017年の死刑判決件数は53か国の合計で少なくとも2591件、死刑執行件数は1000件近くに上った。

 同団体によると、中国は数千件の死刑判決を言い渡しているものの公表はしておらず、上記の件数には含まれていない。(c)AFP/Terence DALEY