【8月1日 AFP】イスラエル考古学庁(IAA)は7月31日、テルアビブの南の都市ゲデラ(Gedera)近郊で、同国考古学者チームが3世紀ごろの大規模な陶器工房跡を発見したと発表した。

 工房はローマ(Roman)帝国からビザンツ(Byzantine)帝国時代のもので、ワインを貯蔵するつぼを生産していたとみられる。工房には、20個の浴槽やボードゲームのための遊戯室など娯楽施設も隣接していた。

 発掘を主導したアラ・ナゴルスキ(Alla Nagorsky)氏は報道陣に対し、工房は3世紀から600年間使用されており、歴史学者が「ガザ(Gaza)」と呼ぶ種類の器が作られていたと述べた。IAAは、つぼは主にワインの貯蔵と輸出に使われていたと説明。当時はワイン産業が盛んで、輸出も大規模に行われていたという。

 また、工房のそばにはローマ浴場が2か所あり、少なくとも1か所にはボイラーが備え付けられていた。水路と配管でつながった「精巧に造られた」浴槽も20個あった。

 工房には遊戯室もあり、IAAによるとこれは「珍しく、驚くべき発見」だという。遊戯室にはバックギャモンや中東で今でも人気の「マンカラ」に使うボードもあった。

 IAAは、現代のハイテク企業が従業員のために娯楽施設を整備しているように、陶器工房も従業員のために娯楽施設を造った可能性があると述べた。(c)AFP