【8月1日 AFP】アフガニスタン当局は31日、伝統的な花嫁交換の慣習に基づき自分より2倍以上年上の男と結婚させられていた少女が、夫に暴行を受けた上、殺害される事件があったことを明らかにした。犯行の動機は、交換されたもう一人の花嫁が相手方の夫に殺害されたことへの報復とされる。

 同国北西部バドギス(Badghis)州の警察当局によると、推定年齢7~10歳とされるハメヤ(Hameya)さんの遺体は29日夜に発見された。夫は逃走中で、ハメヤさんの父親は身柄を拘束され取り調べを受けているという。

 州知事報道官によると、ハメヤさんの結婚は、2家族間で互いの女児を花嫁として交換する「バダル(badal)」と呼ばれる慣習に基づいて行われた。この慣習では双方の家族が持参金を支払わなくてすむため、結婚費用を節約できる。

 同報道官はAFPの取材に対し、ハメヤさんと交換されたもう一人の花嫁が自身の夫に殺害された後、ハメヤさんは夫から報復として暴行を加えられるようになり、ついには殺害に至ったと説明した。当局によると、夫は20~30歳で、ハメヤさんのほかにも少なくとも1人の妻がいた。ハメヤさんとの結婚期間は6か月だったという。

 国連(UN)によると、アフガニスタンの法律では女子は16歳、男子は18歳で結婚が可能となる。だが保守的な家父長制社会である同国では、主に貧困と情勢不安が原因となり、児童婚の伝統が根強く残っている。(c)AFP