【7月30日 AFP】フィリピン南部バシラン(Basilan)州ラミタン(Lamitan)の郊外で31日早朝、兵士と政府系民兵が軍の検問所でワゴン車を停車させて調べていたところ爆発し、少なくとも5人が死亡した。軍当局が発表した。武装勢力との衝突の多い同地域では死傷事件が後を絶たない。

 フィリピン軍のジェリー・ベサナ(Gerry Besana)報道官(中佐)によると、死者には少なくとも1人の兵士と数人の民兵が含まれている。バシラン州の住民は大部分がイスラム教徒だが、ラミタンには主にキリスト教徒が暮らしている。地元当局のムジブ・ハタマン(Mujiv Hataman)氏はAFPに対し、「捕まるかもしれないと感じた容疑者が爆弾を爆発させた」と語った。

 バシラン州は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」の活動拠点となっている。アブサヤフはフィリピンでたびたび爆弾事件を起こしているとされる。フィリピン南部はいくつかの武装勢力が数十年前から闘争を続けており、政府の統計によると、これまでの犠牲者は10万人を超える。

 ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は26日、南部の武力闘争を終結させるためイスラム系住民の自治を拡大する法律に署名し、同法は発効した。(c)AFP