【7月28日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は27日、来月ドイツ・ベルリンで開催される欧州選手権(European Athletics Championships 2018)を10日後に控え、大規模なドーピング問題で資格停止となっているロシアの処分継続を決定した。

 IAAFの作業部会で責任者を務めるルネ・アンデルセン(Rune Andersen)氏は、「IAAF評議会は今回、ロシア陸上競技連盟(RUSAF)の資格回復を見送る決定を全会一致で採決した」と述べた。しかしながら、「RUSAFから多くの有意義な言質」があり、資格回復に必要な条件を満たすべく「著しい改善」があったとしている。

 ノルウェー出身のアルデルセン氏はまた、「いくつかの点では要求以上の成果がみられている」とした上で、RUSAFにはさらなる改善が必要であるとして今回は資格回復を見送るという結論に至ったと補足。今年9月に行われる世界反ドーピング機関(WADA)の理事会の結果をふまえ、12月にモナコで開かれる次回のIAAF評議会で処分が解除されることが理想的だとしている。

 それに必要な三つの条件は、ドーピングスキャンダルによる作業部会の設置をはじめ、IAAFが被った費用をRUSAFが支払うこと。ロシアスポーツ省の主導でドーピングを行っていたことを同国政府が認めるという重要な条件を満たし、WADAがロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格回復を容認すること。そして、2011年から2015年までRUSADAのモスクワ研究所で実施されたドーピング検査へのアクセス権を、ロシア当局が許可することとなっている。

 IAAFのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、「重要な分野では進展がみられた。埋めるべき溝もいくつかある」とすると、「われわれがもたらしている変化は、実行可能なものとなっている。しかし、すべての要素において必要な基準が満たされるところまではたどり着いていなかった」と述べた。(c)AFP