【7月29日 東方新報】中国ブランドが彩ったサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。調査会社のゼニス(Zenith)によると、中国企業の広告費は全体の35%を占める8億3500万ドル(約927億円)だった。

 中でも、存在感が大きかったのは家電業界だ。フランス代表の公式スポンサー華帝(VATTI)、ベルギー代表の公式スポンサー四川長虹電器(CHANGHONG)、大会公式スポンサーの海信集団(ハイセンス、Hisense Group)、そしてネイマールをスポークスマンに起用したTCL集団。これらの企業はW杯という大舞台で、何を得たのだろうか。

■話題性ナンバーワンは華帝、「返金キャンペーン」ではトラブルも

 フランスが優勝したことを考えれば、勝ち組ナンバーワンは華帝と言えるだろう。この厨房器具メーカーは以前はほとんど無名だったが、フランス代表の公式スポンサーとなり、「優勝したら返金」キャンペーンを展開したことで大きな注目を集めた。だが、その後は、ドタバタが続いている。

 キャンペーン開始段階ではフランスが優勝するかは全く未知数であり、優勝が現実のものとなった今、本当に返金できるのかについても疑いの目で見られている。華帝は「返金総額は約7900万元(約1億2900万円)で、業績に影響しない」と繰り返し強調している。一方、アルゼンチン代表の公式スポンサーだった万和電気(Vanward)も同様のキャンペーンを実施したが、アルゼンチンは序盤から振るわず、大きな影響はなかった。

 フランスの優勝後、華帝のキャンペーンに参加していた消費者は大喜びしたものの、返金は現金でなくギフト券などに限定され、返金手続き期間も1週間しか設定されないなどのゴタゴタで、消費者は冷めきってしまった。とは言え、マーケティング効果を見れば、華帝の勝利は間違いない。