【7月24日 AFP】西アフリカのリベリアで2014年7月にエボラウイルスに感染したものの助かったとみられる女性から、1年以上たった後に夫と2人の息子が感染していたと報告する論文が発表された。エボラ出血熱回復後の継続的な監視の重要性が浮き彫りになった。

 24日付の医学誌「ランセット感染症ジャーナル(Lancet Infectious Diseases)」によると、突如「再出現」したとみられるエボラウイルスに感染して15歳の息子が死亡している。この息子は、首都モンロビアで2015年11月19日にエボラウイルス陽性と確認され、4日後に死亡したという。

 女性の夫と8歳の息子もエボラウイルスRNA陽性と確認され、倦怠(けんたい)感や頭痛、高熱などの症状がみられたが回復した。

 女性についても検査を行ったがエボラウイルスRNAの痕跡はなかった。だが女性にはエボラウイルスの抗体があった。以前、エボラに感染した際にウイルスに対する体の免疫反応で作られたものとみられる。女性は2014年7月にエボラウイルスに感染したが生き延びたとみられることも分かった。

 論文は、女性が第4子を出産した後エボラウイルスが「再出現」して2015年10月に家族に感染した可能性を指摘した。エボラウイルスの持続感染者(ウイルスに慢性的に感染している人)から別の人への感染が明らかになったのは初めてだという。(c)AFP