【7月23日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで暮らすシャー・マフムード(Shah Mahmood)さんの9人の子どもたちは、自宅近くのごみ捨て場まで順番にごみを出しに行くのが日課となっていた。だが22日、娘2人と息子1人がいつものようにごみを捨てに出たところ、通りで爆発が起き、うち13歳の娘と8歳の息子が死亡した。

 現場となったのは、悪臭を放つどぶで区切られた、人通りの少ないほこりまみれの街路。目撃者はいないとみられているが、警察はAFPに対し、積み上がったごみの中に交じっていたマグネット式の爆弾に子どもたちが触れて爆発が起きたという見方を示した。

 遺体を発見した人々の話では、子どもたちの小さな体は爆発の威力で数メートル先まで吹き飛ばされていたという。また一命を取り留めた9歳の娘は病院に搬送されて手術を受け、容体は深刻ながらも安定しているとされる。

 マフムードさんは、「娘は決して一人では外出しなかった、いつも弟と一緒に行きたがった」「悲しいことに、きょう2人は死んだ」と話した。亡くなった2人は「おとなしく物静かな子どもたち」で、ほぼ常に屋内で過ごしていたという。カブールでは、暴力行為に巻き込まれるのを恐れる親が、子どもたちを屋内で遊ばせておくのは珍しいことではない。

 自宅前の細い泥道に集まった十数人の弔問客のそばでたたずむマフムードさんは、「これが、この街のどこにでもある私たちの生活──至る所で起こっている」と涙ながらに語った。

 約17年に及ぶ紛争下で、無造作に捨てられたり、意図的に設置されたりした爆破装置によって子どもたちが死傷するというのは、アフガニスタン全土で日常的に見られる悲惨な光景だ。

 国連(UN)のまとめによると、昨年死傷した子どもは3179人に上り、同年死傷した民間人の3分の1近くを占めているという。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI