【7月23日 AFP】来月フランス・パリで開催される性的少数者(LGBT)によるスポーツ・文化の祭典「ゲイゲームズ(Gay Games)」で、台湾旗の使用を禁止するよう中国が主催団体に圧力をかけているとして、同性愛者の権利向上を目指す台湾の活動家らが非難している。

 1982年に創設されたゲイゲームズには今年、最大1万人の参加が見込まれている。台湾の代表団は著名活動家の祁家威(Chi Chia-wei)氏が率い、28人が参加する。

 台湾を自国領土の一部とみなしている中国は、特に国際行事における台湾の表記や旗の使用に目を光らせている。

 台湾の同性愛者権利擁護団体である「台湾同志運動発展協会(Taiwan Gay Sports and Gay Development Movement Association)」の楊小巴(Yang Chih-chun)代表によると、大会を主催するゲイゲームズ連盟(Federation of Gay Games)から先週、台湾旗を掲げることにフランス政府が「懸念を示している」との連絡があったという。

 楊代表はAFPに対し、「中国がフランス政府に抗議したというのが、われわれの論理的な結論だ。そうでなければこうしたことは起こっていないだろう」と述べた。

 さらに同協会は、ゲイゲームズのウェブサイト上の表記が、登録時に協会が用いた「台湾」ではなく「中華台北」となっていることについて、現在交渉中だとしている。楊氏は「連盟が圧力に屈しないことを願う」と期待している。

 蔡英文(Tsai Ing-wen)氏が2年前に台湾総統に就任し、蔡政権は台湾を「一つの中国」の一部と認めることを拒否しており、台湾と中国の関係は悪化している。中国政府は蔡政権との公的な接触を断つとともに、台湾に対し軍事・外交上の圧力を強めている。(c)AFP