【7月22日 AFP】ヒマラヤ山脈(Himalayas)の氷河で、インド人兵士の凍った遺体が見つかった。遺体を発見した登山隊が21日、明らかにした。遺体の兵士は50年前の1968年2月に起きたインド空軍機墜落事故で死亡した102人のうちの1人とみられる。

 登山隊は、この事故で墜落したインド空軍のアントノフ(Antonov)ターボプロップ輸送機An-12の残骸も発見したという。

 登山隊を率いたラジブ・ラワト(Rajiv Rawat)氏は「氷から突き出た人の腕が見え、体は氷河に埋もれていた」とAFPに語った。登山隊からの連絡を受けて、インド軍が遺体の収容活動を開始したという。

 50年前の墜落事故では計102人が死亡。うち98人が兵士だった。当時、空軍機はカシミール(Kashmir)地方の空港に向かっていたが悪天候で着陸できず、インド北部スピティ渓谷(Spiti valley)の上空で連絡が取れなくなった。

 今回、遺体が見つかったのは過酷なヒマラヤ山脈の標高約5500メートル付近。50年前の墜落事故では数十年にわたって大がかりな捜索が行われてきたが、犠牲者の遺体が発見されたのは今回でまだ5人目。最も直近の遺体発見は2013年で身元も確認されている。

 遺体が見つかった一帯は、積雪量が多く厳しい環境下にあるが、国内外の登山家たちの間では人気の登山ルートとなっている。(c)AFP