【7月18日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に向けて新設され、4試合が行われたボルゴグラード・アリーナ(Volgograd Arena)の内部やその周辺が豪雨により損傷する被害が出た。17日、建設を担当した企業が発表した。

 同企業は公式サイトで「被害箇所の補修工事がすぐに始まった」と説明している。

 4万5000人を収容するこのスタジアムでは、イングランドがチュニジアを2-1で下した試合や、ナイジェリアがアイスランドに、サウジアラビアがエジプトにそれぞれ勝利した一戦が行われ、その最終戦ではポーランドが1-0で日本に勝利している。

 15日にこの都市を襲った猛烈な雨により、建設費は163億ルーブル(約293億円)のスタジアムとボルガ川(Volga River)の間に位置する傾斜した土手が崩落し、数トンの砂やがれきが街道に流れ出した。スタジアムの地下部分も浸水したが、ピッチにそうした被害はなかった。

 建設を担当した企業は「土手はすぐに修復される予定であり、スタジアム内の施設も修繕される」とコメントしている。

 インターネット上に投稿された写真からは、道が土砂で埋め尽くされ、土手が部分的に崩落し、くぼみだらけになっているのが分かる。また、豪雨当日の映像では、水と泥が土手を滝のように流れ落ちる様子が収められている。

 ボルゴグラード(Volgograd)の都市行政の代表者であるビタリー・リハチョフ(Vitaly Likhachev)氏は地元のニュースサイトに対し、「新スタジアムの基礎部分が水を通さず、土手に流出した雨水が土壌の最上層を押し流した」と話している。

 このスタジアムでは22日に、ロシア・ナショナル・フットボールリーグ(2部)のロートル・ボルゴグラード(FC Rotor Volgograd)とFCルチ・エネルギア・ウラジオストク(FC Luch-Energiya Vladivostok)による試合が行われる予定となっている。

 また、ロシアでは先週、ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)でもW杯に向けて再敷設された道が豪雨の被害を受けており、歩道が崩落し小さな地滑りが数多く発生していた。(c)AFP