【7月18日 AFP】ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)における真の勝者はフランスではなくアフリカだったと述べた。

 15日に行われたW杯の決勝でクロアチアに4-2と勝利したフランスだが、そのチームにはアフリカにルーツを持つ選手が多く含まれていた。

 マドゥロ大統領は16日、「フランス代表はアフリカのチームのようだった。本当のところはアフリカが、フランスに移住したアフリカ系の移民たちが優勝した」と国内で行われたイベントの中で話した。

「アフリカはひどく見下されていたが、サッカーの世界ではアフリカ出身の選手、あるいはアフリカ人を親に持つ選手たちの存在によりフランスがW杯で優勝した」

 クロアチアとの決勝で得点したフランスの選手のうち、2人はアフリカにルーツを持っている。ポール・ポグバ(Paul Pogba)はギニア出身で、キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)の両親はカメルーン人とアルジェリア人だ。

 決勝に先発出場したフランスの選手のうち、サムエル・ウムティティ(Samuel Umtiti)はカメルーンで生まれ、ブレーズ・マテュイディ(Blaise Matuidi)の両親はアンゴラ人とコンゴ人である。またヌゴロ・カンテ(N’Golo Kante)の両親はマリ人であり、ラファエル・バラン(Raphael Varane)の父親はカリブ海(Caribbean Sea)に浮かぶマルティニク(Martinique)島の出身だ。

 23人の登録メンバーの中でアフリカに何かしらのルーツを持つ選手が16人いた一方で、キャプテンのウーゴ・ロリス(Hugo Lloris)やアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)、オリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)らは欧州に起源を持つ。

 マドゥロ大統領は美しいプレーを見せたフランスを祝福し、「サッカー史上最高のW杯」を開催したとして同盟を結んでいるロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に敬意を表した。

 マドゥロ大統領は「欧州におけるアフリカ人への人種差別、そして移民に対する差別はもう十分だ」と話し、「フランスや欧州全体が、アフリカや中南米の人々が力強く、尊敬すべき存在ということを理解してくれるよう願うよ」と述べた。

 マドゥロ大統領はフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領から「ベネズエラで独裁を行っている」と非難されており、緊張関係にある。(c)AFP