パリ郊外貧困地域のサッカー少年、仏代表チームの活躍に沸く
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■「ここを出る方法は、スポーツかラップしかない」
現在、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)に所属するエムバペ選手の両親は、カメルーンやアルジェリアにルーツを持つ。地域の少年らの多くも、移民の家庭に生まれ育っている。
だが、この地域を出られるのは一握りだけだ。ここには貧困と差別、低い就学率の悪循環が存在している。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、ここでの環境を「自宅軟禁」になぞらえ、マニュエル・バルス(Manuel Valls)元首相も「アパルトヘイト(人種隔離)」に例えた。
ボンディでレストランを営むイスマイルさんは、「ここを出る方法は、スポーツかラップしかない」と話した。
エムバペ選手が生まれたのは、フランス代表チームが1998年大会で優勝した5か月後だった。今回の大会で、当時の優勝チームに肩を並べようとしているエムバペ選手に続き、ワグイさんもボンディから抜け出し、プロの世界での活躍を夢見ている。
少年たちが、こうした期待や夢とうまく向き合えるようリードするのもコーチたちの役目だ。
コーチの一人は、「少年たちにはいつも、メッシ(Lionel Messi)は一人だけ、ロナウド(Cristiano Ronaldo)も一人だけ、エムバペも一人だけ。成功への道に学校は不可欠と伝えている」とAFPの取材に話した。