【7月12日 AFP】米ヘッジファンドのエリオット・マネジメント(Elliott Management)は11日、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)の買収を発表し、「この取引がチームにとって新たな一章になる」とコメントした。

 ミランのオーナーを務めていた中国人のリー・ヨンホン(Li Yonghong)氏は、期日とされた6日までに3200万ユーロ(約41億円)の負債を返済できておらず、エリオット・マネジメントはミランに経済的な安定をもたらす目的で5000万ユーロ(約65億円)を投入すると約束した。

 エリオット・マネジメントの創業者で共同最高経営責任者のポール・シンガー(Paul Singer)氏は「このクラブが持つ最大の可能性を実現させ、ミランを本来いるべきである欧州におけるトップクラブの殿堂に復帰させるというチャレンジを楽しみにしている」と述べ、「経済的な支援や安定性、適切な管理は、ピッチ上での成功と世界に通用するファン体験に必要な条件となる」と続けた。

 ミランは欧州サッカー連盟(UEFA)が定めるファイナンシャル・フェアプレー(FFP)に抵触したとして、今季のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)に出場することができなくなっており、今回の経営者交代はその後に行われた。

 FFPの規定では、欧州において支出が収益を上回ったいかなるチームも制裁を受ける可能性があると定めている。UEFAは5月22日の発表で、返済期限が今年10月までであることから、ミランのエリオット・マネジメントからの融資の借り換え能力について疑念を表明していた。

 ミランはUEFAの決定についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行う予定であり、今月19日に最終的な判断が下される。(c)AFP