【7月11日 東方新報】中国・広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)で、たばこ代の1元(約17円)をめぐるたばこ店店主と客の言い合いが原因で、店主が心臓発作を起こして死亡した。このほど裁判が行われ、客の女子生徒の曾被告(16)の過失致死罪が認められたが、過失は軽微だったとして刑事罰は免除された。

 たばこ店の女性店主で言い争いの末に死亡した姚さん(24)は、客の曾被告を追いかけ平手打ちをし、二人は雨の中もみ合いに。もつれ合っていると店主が突然倒れ意識を失い、病院へ搬送されたが死亡した。鑑定によると、店主は取っ組み合いのけんかと激しい興奮によって、持病の心臓病の発作を誘発し、急性心不全を起こして亡くなったことがわかった。

 死亡した姚さんは、中国・広東省広州市(Guangzhou)で夫とともにたばこ店を営んでいた。2015年12月9日午後0時30分頃、赤い傘をさした制服姿の女子学生二人がたばこを買いに来た。

 言い争いの原因は、たばこ1箱の値段だった。曾被告は1箱12元(約200円)のはずだと言い、姚さんは1箱13元(約217円)だと譲らなかった。言い争いは徐々に過激になり、姚さんと曾被告は互いにののしり合い、曾被告は結局、たばこを買わずに店を出た。頭に血が上った姚さんは店から飛び出し、曾被告の前に回り込むと平手打ちをし、もみ合いになったという。その後、姚さんが突然倒れ、曾被告がすぐに電話で救急車を呼んだ。

 姚さんと曾被告がつかみ合いのけんかをしていたのを、たばこ店隣の時計店店主が一部始終を目撃していた。姚さんは曾被告のマフラーと制服をつかみ、曾被告は姚さんの髪を引っ張り、蹴るなどしていた。

「姚さんが突然倒れ込んで動かなくなった」。時計店店主は、倒れた姚さんが雨に濡れるのを心配し、けんかをしていた曾被告らと一緒に姚さんを支え、歩道の椅子に座らせて通報したという。

 裁判によると曾被告と姚さんの遺族との間で話し合いが行われ、賠償金と被扶養者生活費として46万元(約770万円)が遺族側に支払われることになった。

 曾被告の行為は過失致死罪とされたが、すぐに救急車を呼んだことと、教師に付き添われて派出所へ出頭したことや18歳未満であることのほか、先に手を出したのが被害者の姚さんであったこともあり、被害者にも過失があったと考えられることなどから情状酌量の余地があるとされ、刑事罰は免除された。(c)東方新報/AFPBB News