【7月7日 AFP】サッカーブラジル代表のチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督は、W杯ロシア大会(2018 World Cup)の準々決勝でベルギー代表に敗れ、W杯最多となる通算6度目の優勝の夢がついえたことについて、「受け止めるのは非常に難しい」と悔しさをあらわにした。

 試合は前半からベルギーが優れたパフォーマンスで主導権を握り、フェルナンジーニョ(Fernandinho)のオウンゴールとケビン・デ・ブルイネ(Kevin de Bruyne)の得点で、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を擁するブラジルを動揺させた。

 ブラジルも後半にレナト・アウグスト(Renato Soares de Oliveira Augusto)のヘディングシュートで反撃したものの、ベルギーが2-1で見事に逃げ切り勝ちを収め、10日にサンクトペテルブルク・アリーナ(St. Petersburg Arena)で行われるフランスとの準決勝に駒を進めた。

 敗れたブラジルのチッチ監督は試合後、「つらくて苦々しい気持ちだ。受け止めるのは非常に難しい」とした上で、「自分たちが不運だったと言うつもりはない。ベルギーはデ・ブルイネや(ロメルー・)ルカク(Romelu Lukaku)、(エデン・)アザール(Eden Hazard)をはじめ、(ヴィンセント・)コンパニー(Vincent Kompany)や(ティボー・)クルトワ(Thibaut Courtois)といった高い質を備えた選手がいるチームだ。彼らは皆トップ選手だ」と述べた。

 ブラジルはここまで15戦無敗の好調ぶりで、2大会連続のベスト4入りが確実視されていた。しかし、試合開始直後からチアゴ・シウバ(Thiago Silva)がゴールに迫り、ネイマールも早い時間帯から可能性を示したが、フェルナンジーニョのオウンゴールと、デ・ブルイネによる素晴らしいミドルシュートによって、ベルギーが前半31分までに試合の主導権を握ると、ブラジルは下を向いてしまった。

 それでもブラジルはチッチ監督による選手交代が功を奏し、試合時間残り14分でアウグストが1点を返して反撃を開始。しかし、ベルギーが疲労を隠せない中で、アウグストのシュートは枠を外れ、ネイマールからパスを受けたフィリペ・コウチーニョ・コレイア(Philippe Coutinho Correia)もタイミングが合わず、試合を延長戦に突入させる再三の好機を逃してしまった。

 そして試合終了間際には、ネイマールの弧を描くようなシュートをクルトワがファインセーブ。これでベルギーが、1986年メキシコ大会以来32年ぶりとなる通算2度目の4強入りを果たした。

 ベルギーのロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)監督は、「今の私は地球上で最も誇らしい気分の男だ。私が与えた非常に難しい任務に、選手たちが見事に応えてくれたからだ。最後まで見せた彼らの自信は素晴らしかった」と語った。(c)AFP/Justin DAVIS