【7月7日 AFP】シリア政府と同国南部ダルアー(Daraa)県を拠点とする反体制派は6日、同県の全市町村を政府側に引き渡すことで合意した。

 イスラエルが占領するゴラン高原(Golan Heights)とヨルダンに隣接する南部の反体制派掌握地域では、ここ2週間以上にわたり、ロシアの支援を受けたシリア政府軍による大規模な攻勢が続いていた。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、合意には全市町村での重火器の引き渡しが含まれている。合意を拒否する戦闘員らは、家族と共に反体制派が掌握する北西部イドリブ(Idlib)県に移されることになるという。

 政府軍の攻勢ではクネイトラ(Quneitra)県とスウェイダ(Sweida)県も対象となっているが、英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、今回の合意の対象はダルアー県のみ。反体制派の報道官はAFPの取材に「この合意は戦闘員の命を救うための最善策だった」と語った。

 国連(UN)によると、先月19日に始まった軍事作戦により32万人以上が避難を余儀なくされたが、SANAは今回の合意により避難民らは帰宅できる見込みだとしている。(c)AFP