【7月6日 AFP】東アフリカのジブチで、アフリカ最大となる自由貿易区(FTZ)が一部完成し、5日に落成式が行われた。世界屈指の活発な交易ルート上に位置する戦略的要衝という利点を活用し、世界の貿易・物流ハブ(中心拠点)となることを目指す。

 首都ジブチで行われた式典でイスマイル・オマル・ゲレ(Ismael Omar Guelleh)大統領は、「国際通商貿易におけるジブチの地位を上昇させる」インフラ事業が成就したとたたえた。

「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるジブチは、スエズ運河(Suez Canal)の南方、紅海(Red Sea)の入り口に位置する。既に、貿易ハブ化計画の一環として2017年、3つの新港と、内陸の隣国エチオピアまでを結ぶ鉄道が完成している。

 落成式には東アフリカ諸国の首脳も出席。ソマリアのモハメド・アブドラヒ・モハメド(Mohamed Abdullahi Mohamed)大統領は、FTZについて「東アフリカの勝利だ」と歓迎した。

 ジブチの主要港に接続するFTZは、総面積48平方キロメートルでアフリカ最大。総工費35億ドル(約3900億円)をかけ、10年後の完成を目指す。5日に試験的にオープンしたのは面積240万平方メートルの一部区画だ。

 黄色く塗られた区画を囲む塀には、ジブチと中国の国旗が交互に立ち並び、両国の結び付きの強さを象徴していた。中国はインフラ開発を急ぐジブチの大きな資金源となっている。中国にとってもジブチは、シルクロード(Silk Road)の現代版としてアジアから欧州までを陸路と海路で結ぶ大経済圏構想「一帯一路(One Belt One Road)」の要衝で、中国唯一の海外軍事基地もジブチにある。(c)AFP/Fran BLANDY