【7月5日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍と同盟国ロシアは5日、反体制派が掌握する南部ダルアー(Daraa)県に対し、2週間前に攻勢を強めて以来最も激しい空爆を実施した。AFP特派員と監視団体が伝えた。

 英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシア側と反体制派との降伏交渉が4日に決裂。翌5日未明、シリア政権軍とロシア軍の戦闘機からミサイルとたる爆弾「数百発」が投下された。

 この猛攻で、政権軍は3年以上ぶりにヨルダン国境の検問所を掌握したという。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、今回の爆撃について「反体制派が停戦に向けロシアが提示した条件に従うことを拒否したことを受け、反体制派にその拒否を撤回させようとする狙い」があったとみている。

 ロシア代表団と協議した反体制派の一部は、交渉を通じての降伏に応じる意向を示していたが、4日夜になってそれ以外の反体制派が重火器の引き渡しには合意しないと表明し、協議から離脱した。

 同県県都のダルアー市の境界で取材しているAFP特派員は、この日の反体制派支配地域への空爆は、ロシアが支援する攻撃が始まった先月19日以降で最も激しかったと伝えている。(c)AFP